日本指圧は、正当な医療技術です。

日本指圧専門学校 校長 石塚寛先生 推薦認定を頂きました

浪越徳冶郎(なみこしとくじろう) : 指圧療法の創始者

浪越指圧ヨーロッパより http://www.namikoshishiatsueuropa.net/jp/

『指圧療法』の創始者といわれている浪越徳冶郎(なみこしとくじろう)は、明治45年(大正元年)7歳の時に四国香川県より北海道留寿都村へ移住しました。
ところが、徳冶郎の母マサはなれない旅の疲れと急激な生活環境の変化からか、到着直後から体中の痛みを訴え寝込んでしまいました。当時のことですから医者も薬もありません。
母の苦しみを見かねた徳治郎少年は『撫でる』、『擦る』など必死に看病しましたが、そのうちに、からだのある部分、特に固く凝り固まっている箇所を母指で押してほぐす事により、不思議と母の容態が良くなってくることに気付いたのでした。

その後、暗中模索のうちにからだの凝りや熱などの状況にあわせて押し方を工夫した結果、ついには全快にまでこぎつけました。
病状は今で言う多発性関節リウマチだったと思われますが、母を思う子供が文字通り必死で『手当』をした結果でありました。
この時の経験を基に、試行錯誤をくり返し幾多の研究を重ねた末に完成したのが、現在の(厚生省によって定義された)『指圧療法』の始まりといわれております。

その後、大正14年北海道室蘭において世界初となる指圧専門治療院の開院、昭和9年、著書『指圧療法と生理学』の発表、昭和15年日本指圧学院の開校……というように、指圧は、その創始者・浪越徳冶郎により、大正年間から昭和初期にかけて急速にかたちづくられて行きました。現在、厚生労働省認定の指圧専門学校と発展してまいりました。

指圧療法の認知の流れ

  1. 1912年 浪越徳治郎先生によって、その原型が創案される。
  2. 1940年、日本指圧学校(Japan Shiatsu College)が創立される。
  3. 1955年、参議院・厚生労働委員会で法制化のための公聴会が開催される。
  4. 1955年、『あん摩(マッサージ・指圧を含む)師』として法制化される。
  5. 1957年、厚生省より『指圧の定義』が認定される。
  6. 1964年『あん摩マッサージ指圧師』と改正される。

このように、浪越徳治郎先生が創案した指圧を基幹として、日本の『指圧療法』が発達し民間レベルでも政府レベルでも認知されて来たことが、浪越先生をもって指圧の創始者と呼ぶ所以であります。

指圧の定義

指圧とその海外普及 http://www.shiatsutherapy.org/japanese001.htm 池永 清 著

海外で指圧をしておりますと『指圧とは何か?』という問題が非常に重要になってまいります。
日本は指圧発祥の地ですので、ほとんどの人が指圧を知っている事でしょう。
又、その定義まで正確に理解していなくても、日本語(漢字)の場合指圧という単語から大体の意味は想像することが出来ます。
では、海外ではどうでしょうか。
現在、日本の指圧は海外でもそのまま『SHIATSU』として普及しておりますが、ローマ字になってしまうと言葉自体には意味を持たなくなってしまいますので、正しい説明が必要となります。
指圧を英語に訳すと、まず『指』はfingerですが、これが『親指』となるとthumbになります。『圧』はpressureですので、finger pressureあるいはthumb-pressureという事になり、この時点では別段難しい事はありません。

しかし、問題は言葉ではありません。
日本独特の手技療法である指圧を正しく普及させる為には、日本の法律『あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(いわゆるあはき法)』で認められている医療としての指圧つまり『指圧療法』を法的根拠に基づき正しく伝えて行くことが非常に重要です。
その目的を達成する為に、まず何をおいても指圧とは何か?すなわち『指圧の定義』を明確にすることが必要です。
そこで、いろいろ調べて見ますと指圧の定義は、昭和30年に初めて指圧が法律により認められてから約2年後の昭和32年12月、当時の厚生省(現厚生労働省)医務局医事課より発行された『指圧の理論と実技』という教本の中に明記されており、その全文は次の通りです。

『指圧法とは、徒手で母指、手掌等を用い体表の一定部位を押圧して生体の変調を矯正し、健康の維持増進をはかり、または特定の疾病治癒に寄与する施術である。』
従いまして、指圧療法の大前提は以下に挙げる3点だということがわかります。
徒手を用いること。(道具はもちろんやヒジ、ヒザ、足等は使用しません)
体表を押圧する事。(もんだり、撫ぜたり、引っ張ったりはしません)
健康維持増進や疾病治療を目的とする事。(医療の一環です)

大変シンプルですが、海外で指圧について説明する場合、この3点が最も重要なポイントであり、更に、これに日本独特の手技療法であることを付け加えればよいでしょう。
ちなみに、カナダ・ブリティッシュコロンビア州指圧協会のホームページでは、この指圧の定義がそのまま次のように訳されております。

"Shiatsu technique refers to the use of fingers and the palm of one's hands to apply pressure to particular sections on the surface of the body for the purpose of correcting the imbalances of the body, and for maintaining and promoting health. It is also a method contributing to the healing of specific illnesses."